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お薬研究所 : 2010年9月号-#2 [2010.09.15up]

お薬研究所では「薬局でのこんな相談」や「病気の話」など、皆さまの健康に役立つ情報を掲載しております。
  » イチョウ葉エキス
     ├ 1. イチョウ葉とは
     ├ 2. イチョウ葉の有効性
     └ 3. 医薬品との相互作用
これまでの記事(直近3件)
  » 2010.09.07 お薬研究所:2010年9月号-#1 病気の話「めまい」
  » 2010.08.26 お薬研究所:2010年8月号-#3 こんな相談「検査値について」
  » 2010.08.18 お薬研究所:2010年8月号-#2 サプリメント「日焼け後に良い食品」

サプリメント「イチョウ葉エキス」

イチョウ葉とは

イチョウ葉イチョウは、中国原産の落葉木です。雄株と雌株があり、雄株の花粉は1Kmも遠くから運ばれて受粉します。そして、秋~初冬に実となるのが銀杏です。
イチョウ木は、油分を含み水はけが良く加工にも適しているため建具・家具に利用されるほか、まな板などにも使用されています。また、銀杏は食用として茶碗蒸しや酒の肴としても美味しく食べられます。
イチョウ葉には、ケルセチン・ケンフェロール・イソラムネチン・ルチンなどのフラボノイド類とギンコライドA・B・C、ビロバライドなどのテルペノイド類およびプロアントシアニンなどが含まれています。また、強力なアレルギー物質の“ギンコール酸”はイチョウ種子の外皮に多く含まれていますが、イチョウ葉にも0.1~1.0%含有しているため注意が必要です。そこで、健康食品として利用するための規格が設けられています。

一般的な規格としては・・・
イチョウ種子 フラボノイド類24%以上、テルペノイド類6%以上含有し、ギンコール酸の含有率を5ppm以下
ヨーロッパでは医薬品として使用されており有効性も確認されていますが、日本では上記の規格基準を満たしたものが健康補助食品として販売されています。
JHFAマーク(財)日本健康・栄養食品協会認定健康補助食品とは、“栄養成分を補給し特別の保険の用途に適する物、その他健康の維持、増進および健康管理の目的のために摂取する食品“と定義されています。そして、1カプセル、1包など単位あたりの含有量も20mg以上と決められており1日の摂取量も60mg~240mg(イチョウ葉エキス末として)で過剰摂取による副作用の発現にも注意が必要です。

イチョウ葉の有効性

抗酸化作用
・・・活性酸素は脂質の過酸化、血小板凝集、炎症反応に関与しています。活性酸素は、細胞を傷つけ生活習慣病や老化を促進します。イチョウ葉に含まれるフラボノイドは活性酸素やフリーラジカルの消去作用や血小板凝集抑制、炎症細胞からの活性酸素の発生を抑制します。
血液凝固抑制作用
・・・血小板活性化因子(PAF)は、血栓形成、アレルギー反応、炎症脳循環機能障害を引き起こす情報伝達物質として働いています。イチョウ葉に特有の成分であるギンコライドBは、このPAFを特異的に阻害し以下のような効果が期待できます。
(1) 脳梗塞、動脈硬化の予防
(2) 血液循環改善作用
(3) 血圧上昇抑制作用
(4) 血糖上昇抑制作用
末梢循環障害改善作用
・・・脳血管障害や脳循環障害(めまい、頭痛、耳鳴り)、間欠性跛行(血行不全のため、下肢の骨格筋に血液が送れずしびれのために歩行が困難になる)などに改善が見られます。

このように、フラボノイドとテルペノイドの相乗効果により生活習慣病に対する有効性が認められています。さらに、ヨーロッパで医薬品として使用されているイチョウ葉エキスでは痴呆症を改善する事が多くの臨床試験で報告されているのです。 イチョウ葉の有効性痴呆症には、アルツハイマー型と脳血管型の2種類がありますが、両方の型において有効であると考えられており1日120mgを6カ月~1年続けた結果、痴呆症患者の注意力および記憶力の低下を改善させたという報告があります。さらに、健常人に服用させた結果においても脳のα波を増加させ記憶力を増大したという報告もあるのです。
しかし、効果を期待するあまり自己判断での過剰摂取は副作用発現の危険があります。一般的な1日の摂取量は120mg~240mgとされています。また、自身でイチョウ葉を集めてお茶として利用する事は絶対にさけるべきです!と言うのは強力なアレルギー物質である“ギンコール酸”がイチョウ葉に多く含まれているためです。したがって、規格基準をクリアした健康補助食品を指示どおりの量で服用する事が大切です。

医薬品との相互作用

医薬品との相互作用

痴呆症や血管循環改善作用を期待して服用することから、利用者は圧倒的に高齢者が多いようです。したがって、現在服用している定期薬との相互作用にも注意が必要です。

バイアスピリン・ワーファリン
ギンコライドBの作用である血液凝固抑制作用がそれぞれの薬剤の作用と相まって出血傾向が高まります。
血糖降下剤
インシュリンの代謝・分泌に影響するため、血糖値の変動を把握する事が必要。
てんかんや不整脈などの発作を抑制する薬剤
併用により発作の頻度が増加したという報告もある事から、控えることが望ましい。

イラスト 運動定期的に薬を服用している場合には、必ず担当医師に相談する事が大切です。