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お薬研究所 : 2010年12月号-#2 [2010.12.15up]

お薬研究所では「薬局でのこんな相談」や「病気の話」など、皆さまの健康に役立つ情報を掲載しております。
  » サプリメント「ウコン」
     ├ 1. 概要
     ├ 2. クルクミン
     ├ 3. 精油成分
     └ 4. ウコン粉末を作ってみましょう
これまでの記事(直近3件)
  » 2010.12.07 お薬研究所:2010年12月号-#1 病気の話「胃炎」
  » 2010.11.25 お薬研究所:2010年11月号-#3 こんな相談「アルコール」
  » 2010.11.17 お薬研究所:2010年11月号-#2 サプリメント「茶カテキン」

サプリメント「ウコン」

ウコン

ウコンは、インド原産のショウガ科の多年草で古くからインドおよび中国で薬や香辛料さらに染料として利用されてきました。5000年前に起源を発するインドの伝統医学である“アユールヴェーダ”や平安時代に編纂された“本草和名”にも紹介されています。本格的に栽培され始めたのは、室町時代の沖縄で当時は大変貴重な植物で琉球王府の大切な財源として珍重されていました。現在では、沖縄をはじめ種子島、屋久島、鹿児島などの太陽のエネルギーが多く肥沃な土壌のあるところで栽培されています。
ウコンの英名は“ターメリック”、あのカレー粉の主原料、黄色の正体です。ウコンの英名は“ターメリック”、あのカレー粉の主原料、黄色の正体です
日本でよく利用されているは、春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの3種類です。

春ウコン(学名キョウオウ)
春ウコン(学名キョウオウ)
春ウコン(学名キョウオウ)
秋ウコン(学名ウコン)
秋ウコン(学名ウコン)
秋ウコン(学名ウコン)
紫ウコン(学名ガジュツ)
紫ウコン(学名ガジュツ)
紫ウコン(学名ガジュツ)

ウコンには、黄色色素成分のクルクミンとショウガ科特有の多くの精油成分が含まれています。

クルクミン

二日酔いは、アルコールが肝臓で分解してできるアセトアルデヒドという物質が原因でおこります

肝臓の機能回復に有効であると言われています。その一つにアルコールの分解速度を促進します。二日酔いは、アルコールが肝臓で分解してできるアセトアルデヒドという物質が原因でおこります。その分解速度を促進させると言われています。また、脂肪の消化吸収を助ける胆汁の分泌を盛んにする働きがある事から肝臓の負担を軽減する事ができるのです。さらに、腸管から吸収されたクルクミンはテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質となり、体に有害な活性酸素を抑制する働きもあるようです。

精油成分

精油成分としては、ターメロン・シネオール・カンファ・アズレン等があり以下のような作用を持っていると言われています。

ターメロン →  胆汁の分泌を促進させる。
シネオール →  胆汁の分泌を促進させる作用の他、健胃・殺菌・防腐等の幅広い作用を持つ。
カンファ →  神経の高揚作用。
アズレン →  炎症や潰瘍を治す作用があり、アフタ性口内炎や胃・十二指腸潰瘍の治療に使われています。

その他にも、ビタミンやミネラル、フラボノイドも含有しています。
肝機能の回復を期待するのであれば、クルクミンの含有量が一番多い秋ウコン。春ウコンや紫ウコンと比較すると約10倍の量を含んでいます。健胃作用を期待するなら、春ウコン。豊富に含まれる精油成分が効果的です。紫ウコンには、クルクミンはほとんど含まれていませんが、精油成分によりすばらしい芳香があります。

ウコン粉末を作ってみましょう

作り方はいたって簡単! 作り置きした粉末は、お茶に料理に便利に利用できます。

ウコン粉末
  1. 生ウコンは綺麗に洗っておきましょう。
  2. ベランダなどで4~5日、天日干しします。
  3. 乾燥したウコンをミキサーにかけて粉末にします。
ウコン茶
ウコン粉末10gに対して1.8Lのお湯で溶かします。
やや飲みにくい感じがありますのでオリゴ糖などで甘くするとだいぶ飲みやすくなります。
1日の摂取量としてはおよそ10g程度、上手に取り入れましょう。
香辛料
魚や肉料理の香辛料として利用します。火を通すため、料理の味は変わる事なく摂取できます。そして、一番身近なウコン料理としては“カレー” もともとウコンを含んでいるため、もう一さじ追加してもまったく味に変化はありません。さらに、炒め物にもさっと一振り。鮮やかな黄色が料理を美味しく見せてくれます。
こんな利用も・・・
歴史的には、飲む事よりも外用や染料としての使用が早かったとも考えられています。
10~15gのウコン粉末をお茶パックに入れて入浴剤としてお湯に沈めます。お肌はつるつるになるようです・・、しかし肌質は個人差も大きいので刺激を感じる人もいるので注意は必要です。
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