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お薬研究所 : 2011年2月号-#1 [2011.2.8up]

お薬研究所では「薬局でのこんな相談」や「病気の話」など、皆さまの健康に役立つ情報を掲載しております。
  » 病気の話「インフルエンザ」
     ├ 1. 概要
     ├ 2. どんな病気?
     ├ 3. どんな症状?
     ├ 4. どんな治療?
     ├ 5. ワクチン接種について
     └ 6. 生活アドバイス
これまでの記事(直近3件)
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  » 2011.01.12 お薬研究所:2011年01月号-#2 アレルギーを抑える食品
  » 2011.01.04 お薬研究所:2011年01月号-#1 病気の話「骨粗しょう症」

病気の話「インフルエンザ」

概要

新型インフルエンザの拡大が懸念されていますが、いよいよ気温の低下や空気の乾燥する季節となり流行シーズン到来です。対策は万全ですか?
今月は、インフルエンザについてのお話です。

どんな病気?

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3種類があります。
» A型インフルエンザウイルス
ウイルス内部での変異型が多く(144種類)、世界的な大流行を起こしやすい。また、ウイルスに対する免疫の持続も短いと言われています。(人の間で流行しているのは、A/H3N2香港型とA/H1N1ソ連型)
» B型インフルエンザウイルス
A型に比べると、流行の規模が小さいが世界的・地域的な流行が見られる。また、ウイルスに対する免疫もA型よりも長く続くと言われています。
» C型インフルエンザウイルス
4歳以下の小児に感染する。ほとんどの人が乳幼児期に感染するが、症状が現れない事も多く、免疫は長期間持続する為、一度感染すると生涯感染する事はありません。
粘膜に吸着したウイルスは、粘膜下に侵入し増殖します。およそ、1日~2日長くても7日の潜伏期間を経て発症します。

どんな症状?

インフルエンザの主な症状は、頭痛・全身痛・倦怠感そして高熱です。比較的短時間に熱が上昇します。咳や鼻水等の症状は発症初期には少ないことが多いようです。新型インフルエンザについては、抗体がないため感染力が強く注意が必要です。
それでは、インフルエンザと一般風邪との比較をしてみましょう。

  インフルエンザ 風邪
症状 高熱・頭痛・関節痛筋肉痛・咽頭痛・咳鼻水 咽頭痛・鼻水・鼻づまりくしゃみ・咳・発熱
発症 急激 比較的ゆっくり
症状の部位 強い倦怠感等の全身 鼻・のど等の局所
原因ウィルス インフルエンザA・B ライノウイルス・アデノウイルス・コロナウイルス・RSウイルス等

どんな治療?

イラスト インフルエンザ

インフルエンザウイルスが、細胞から細胞に感染、伝播する際にはウイルス表面にあるノイラミニダーゼという酵素の働きが必須です。そこで、その酵素の働きをブロックする作用を持つ抗インフルエンザ薬の服用を行います。ノイラミニダーゼは、A型およびB型共通である事からどちらの型にも効果が期待できます。ただし、発症から48時間以内に服用する事によりウイルスの増殖を抑制し合併症(細菌の2次感染による肺炎・気管支炎など)も少なく罹患期間も短縮できます。(発熱期間は通常より1~2日短縮、ウイルス排出量も減少する)
また、抗インフルエンザ薬使用における異常行動については、因果関係を追及するための検討が進められていますが、現時点では、10歳以上の未成年の患者はハイリスク患者を除いては使用を控えるよう指導されています。さらに、治療開始後2日間は保護者等が患者の状態を観察する事が必要といわれています。
高熱の為、解熱剤を併用する事もありますが、根本治療ではないのでその使用は必要最小限に控えます。薬剤の種類(ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸・アスピリンを含む)によっては、インフルエンザ脳症の発現との因果関係も指摘されておりより安全な解熱剤(アセトアミノ酸製剤)が使用されています。
インフルエンザウイルスに感染し、発症後3日~7日間ウイルスを排出すると言われています。経過とともに排出量は減少しますが個人差があります、解熱後2日経過するとその感染力はかなり低下する為、学校保健法ではその期間を出席停止としています。

ワクチン接種について

ワクチン接種

現在、季節性のインフルエンザワクチンは Aソ連型(H1N1)とA香港型(H3N2)およびB型の混合ワクチンで、新型インフルエンザが流行しなければ効果は期待できます。ワクチン接種から、抗体獲得までに2週間ほどかかるため、10月から11月遅くとも12月上旬には接種が望ましく1回目→2回目の接種間隔は1~4週とされてます。残念ながら、健康被害を最小限に留める事はできますが100%発症を抑制できるわけではありません。また、6歳未満の幼児では阻止効果は20~30%で1歳未満の乳児ではその効果は明らかになっていません。
ワクチン接種から、抗体獲得までに2週間ほどかかるため、10月から11月遅くとも12月上旬には接種が望ましく1回目→2回目の接種間隔は1~4週とされてます
 

生活アドバイス

基本的にインフルエンザは飛沫感染ですが、特別な条件下では空気感染もあると言われています。飛沫は1~2メートル以上は飛びませんし、患者がマスクをしていれば飛沫の発生は最小限に抑えられます。また、手指を介した接触感染もありますので、手洗いは重要です。空気が乾燥するとのどや鼻粘膜の防御機能が低下する為、外出時のマスクの使用や狭い気密な部屋などでは、比較的長くウイルスが浮遊することもあり得るので、時々換気をすること、部屋の湿度(50%~60%)を適度に保つことなどは効果があります。
また、日頃からバランスの良い食事を摂る事を心がけましょう。発熱時にはエネルギーの消費だけでなく、体のたんぱく質の分解も進みますので、偏りがなく消化の良いメニュー(おじや・煮込みうどん・具だくさん味噌汁等)がおすすめです。
抵抗力アップのビタミンC、粘膜保護のビタミンA、エネルギー代謝アップのビタミンB1などのビタミン補給も大切です。ウイルスに負けない体作りが基本です。