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お薬研究所 : 2011年6月号 [2011.6.29up]

お薬研究所では「薬局でのこんな相談」や「病気の話」など、皆さまの健康に役立つ情報を掲載しております。
 » プールでうつりやすい病気
    ├ プールでうつりやすい病気とは?
    ├ 1. 咽頭結膜炎(プール熱)
    ├ 2. ヘルパンギーナ
    ├ 3. 手足口病
    ├ 4. 急性外耳炎・中耳炎
    └ 5. その他
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プールでうつりやすい病気

プールでうつりやすい病気とは?

咽頭結膜炎(プール熱)

プールでは水を介してうつってしまう病気があります。
主な感染症を知って、積極的に予防し、また万が一うつってしまった時は家族や友達にうつさないよう対策をとりましょう。
どんな病気があるのでしょうか?予防や注意事項は?

(1) 咽頭結膜炎(プール熱)

プールでうつってしまうもので最も多い感染症の一つです。

症状: 5日位の潜伏期間(症状がない期間)を経て、38~40℃くらいの高熱が3~5日位持続し、のどの腫れと強い痛み、リンパの腫れ(咽頭炎)、目の充血・痛み・目やにが出るといった結膜炎が主な症状です。
また、頭痛・腹痛・下痢といった症状を伴うこともあります。
原因: 一般的な風邪症状の原因となるアデノウイルス(主に3型)です。
感染した人の唾液や目やになどの分泌物に含まれるアデノウイルスが、口や目に入ることで感染します。
プールの水を介して多くの方にうつることからプール熱とも言われています。
また、水を介さなくても感染力が強く、飛沫・接触による感染も注意が必要です。
治療: ウイルスが原因となるため抗生剤は直接は無効なため、症状を緩和するための対処療法となります。
高熱が出ることから、必要に応じて解熱剤を使用します。
のどの痛みに対しては痛み止め、腫れなどに対しては抗炎症薬や咽頭の症状を改善するためのお薬を使用します。
ただし発熱は体がウイルスを退治するためのものです。解熱剤の使い過ぎには注意が必要です。
この時期は高温で湿度も高く、高熱で汗をかいて体温を調節することが難しい時期です。また、咽頭炎による痛みで食事が少なくなったり、水分を取ることを嫌がったり、特に下痢を伴っていると、脱水症状になりやすくなることから、熱と痛みのコントロールと水分の摂取に注意しましょう。
予防: プールに入る前にはしっかり、シャワーや腰までつかる消毒を行いましょう。プールから出たらうがい・手洗い・洗眼・シャワーなど十分行ってください。
家族の方がうつってしまったら、唾液・鼻水・目やにに多くウイルスを含んでいることからタオルなど別々に使用するようにしましょう。食事の時は大皿に盛らず個別に分けましょう。
(口→箸→料理→口と感染します)食器やコップなどは分けて使用し、洗う時も最後として消毒が出来るとよいでしょう。
お風呂も熱が高くなければ入ることも可能です。水を介して感染することから一緒には入らず、感染者は最後に入浴しバスタオルなどは別々に使いましょう。
家族の中でもケアするお母さんの手が感染経路となりやすいため、ケア後は手荒れが心配でも、こまめに手洗いをしましょう。
また、子供は無意識に目をこすったりして、あちこち触ってしまいます。みんながよく触れる、ドアノブやスイッチ、手洗い場などはこまめに消毒が出来るとよいでしょう。

(2) ヘルパンギーナ

夏かぜの代表と言われる感染症の一つです

症状: のどの奥に小さな水疱ができ、38~40℃の高熱が2日以上続き、食べたり飲んだりするのがつらいような強い咽頭痛が出ることがあります。
原因: コクサッキ―ウイルス、エコーウイルスなどが原因です。くしゃみや咳などの飛沫感染以外に、接触や排泄物からも感染します。プールなどでの接触でも注意が必要です
治療: ウイルスが原因の為、痛みや熱に対して解熱鎮痛剤などの対処療法となります。また、2次感染などの時には抗生剤が投与されることもあります。
予防: 他の夏かぜ同様、手洗い・うがいなどが大切です。
注意: 痛みで飲食が少なくなったり、発熱や気温が高いことから特に脱水症状に注意をしましょう。原因となるウイルスが多数あるため、何度もかかってしまいます。日頃からしっかり予防しましょう。

(3) 手足口病

7月に多くみられる夏かぜの一つです。

症状: 潜伏期間は3~6日くらいと言われています。手のひら、足の裏、指の間や口腔内に水疱性の発疹ができ、37℃くらいの発熱 を伴うことがあります。発疹ができますが通常はかゆみはありません。 口腔内にもできることから痛みによって、食欲が落ちることがあります。
原因: コクサッキ―ウイルスやエンテロウイルスが原因となります。感染者のくしゃみ・咳からの飛沫感染、接触や排泄物から感染していきます。
治療: 他の夏かぜ同様、ウイルスが原因となるため、熱や痛みに対する対処療法が中心となります。
予防: 他の夏かぜ同様、手洗い・うがいなどが大切です。

(4) 急性外耳炎・中耳炎

症状: 耳の痛み、耳の閉塞感、耳だれのほか頭痛や発熱を伴うこともあります。 急性外耳炎・中耳炎
原因: 外耳の傷などから細菌が入ることで起こります。
治療: 抗生剤及び痛みや熱に対して解熱鎮痛剤を投与します。飲み薬以外に、細菌を抑えるための点耳液などを使用することがあります。
予防: 耳掃除などで耳内を傷つけないように注意しましょう。また、中耳炎などを繰り返しやすい方は医師と相談しましょう。

(5) その他

その他にもはやり目や水いぼなどの感染症が多数あります。
それぞれプール以外でも感染してしまうことがあることから、日常の生活をする上で、手洗い・うがい・タオルなどを別々に使用するといった予防が大切です。
プールは塩素によって消毒されていますが、水以外にも共有して使用するものがあるため、プールの後は手洗い・うがい・洗眼をしっかり行い、また塩素自体が肌の弱い方には負担となるため、しっかりシャワーで洗い流すようにしましょう。

プールを管理する側も、感染予防の為にプールの消毒と、プールサイドや更衣室など、清潔に保つようにしましょう。
プール水の塩素消毒は効果的なものですが、適正に行わなければ効果が出ないばかりか、効果のある遊離した塩素が少なくなることで刺激の強い結合した塩素が多くなっていきます。水が汚れることで塩素はどんどん結合型のものに変わっていくことから、プール前のシャワーや腰までの消毒をしっかり行うようにしましょう。